新幹線の乗車率

新幹線の乗車率に関する疑問と過去の実績
最終更新:2024/01/04 19:47:49

新幹線の乗車率に関して

乗車率180%!とニュースで取り上げられると、さぞかし混雑している様子が想像できます。
ところで、この乗車率とは何を基準に発表されているのかご存知でしょうか?

 

新幹線の乗車率とは、自由席の座席数に対して立っている人の割合を示しています。

 

本記事では、過去のゴールデンウィーク、お盆、年末年始に報道された混雑度を表す乗車率を掲載しています。掲載の乗車率は区間や列車、カウント方法はバラバラなので目安としてください。なるべく毎年合わせるために、下り列車に限り、同じ列車(のぞみ1号)の混雑状況を掲載しています。

 

コロナ下でガラガラではありますが、大型連休ごとに徐々に利用者数は増加しています。

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乗車率とは

新幹線と在来線の基準は違う

乗車率とは鉄道共通で、定員に対して乗車した人の割合です。

 

新幹線では定員数は座席数なので、座席が満席の場合が乗車率100%です。普通の電車では座席だけでなく、つり革や手すりを利用する人も含めて定員としているのでパッとわかりません。

 

新幹線の方がわかりやすいですね。

 

例えば新幹線の座席が100席だと仮定した場合、100人乗車すると100%。150人乗車すると150%で、50名が立っている状態なのです。

 

新幹線で乗車率について報道される場合には、必ず「自由席の乗車率は~」と自由席に限定します。
これは、指定席を立って利用する想定がなく、座席数以上にきっぷが発売されることはないからです。
そのため、新幹線の乗車率というのは、席が決まっていない自由席を指しているのです。

 

 

報道各社が発表している基準

一口に乗車率といっても、東海道新幹線の列車は多いときで一日に400本近い列車が走っています。

 

混んでいる列車も、空いている列車もあります。

 

各社は5、6年ほど前まではバラバラでしたが、最近では各社とも東京を6時00分に出発する始発「のぞみ1号」の博多行きを基準としています。
(当サイトでもなるべく指標を合わせるため、のぞみ1号の報道を基準としています)

 

Uターンの場合は相変わらず基準はなく、各社バラバラで当日最も混雑した列車を独自に調査して発表しています。
帰りは各駅から分散して乗車するので、集中する東京駅のように目安は設けにくいのかもしれません。

 

のぞみ1号は、東京駅を出発する始発列車で、東海道新幹線で最も長い博多までの1179.4kmを4時間53分で走破します。平日・祝日を問わず毎日運行しています。

 

 

なぜ基準が「のぞみ1号」なのか

のぞみ1号は、東京駅発が6:00の始発列車ですが、博多には10:53の到着です。
大型連休では必ず午前中の列車が人気のため、終点までを含めると乗降客数が最も多くなります。

 

また、始発出発なので、早くから並ぶ人でホームも一番混雑しています。
映像的にもこのタイミングが一番混雑が表現できるという点も採用される理由かもしれません。

 

こういった、利用者数が多く、最長区間の走破する列車、列車番号がわかりやすいといった点から、「のぞみ1号」が基準とされるようになってきたのです。

 

 

どうやって数えているのか?

目視で数えています。
国交省の定める鉄道の混雑度を測定する方法で目視が指定されています。JR職員、報道記者や専門の人が数えています。

 

機械測定やカウント方法が決められていれば、ニュース番組毎に差が出たりしませんが、実際は報道内容に差があります。
同じ列車でも乗車率150%、180%と発表されたり、「終日100%を超えました」と曖昧に報道したりするケースもあります。

 

 

乗車率の目安

新幹線ではない在来線ですが、国交省が混雑度の目安を発表しています。
新幹線に置き換えると180%が在来線の200%ぐらいになるというのが個人的な感覚。
※国交省では乗車率という言葉ではなく、混雑度と表現します。
在来線で200%というと首都圏の平日の通勤ラッシュと変わらない混雑ぶりです。

 

数値に差が出るのは先にご紹介したように、在来線ではつり革の数も座席と数えるためです。
新幹線はつり革はない(全員が着席する設計)のため、一人でも立っていると100%を超えるのです。

 

のぞみの場合、乗車率と人数の目安は以下のとおりです。
乗車率100%・・・250名
乗車率150%・・・375名(+125名)
乗車率180%・・・450名(+200名)
乗車率200%・・・500名(+250名)
※のぞみ1号(N700系)自由席1~3号車
150%だと125名(43人/車両)が通路に立っている状態、200%だと250名(84人/車両)通路に立っている状態です。
200%では座席の横に2~3人立っている計算になるので、かなりのひっ迫状態。東海道新幹線では200%あたりが限界です。

 

 

運行本数について

昔と比べて利用者数も増えてはいますが、運行本数も大幅に増えています。

 

2016年の年末から年始にかけて(12/28~1/5まで)は平均で1日に401本の列車が運行しました。2006年は1日290本でしたので10年で100本以上増えたことになります。

 

更に2020年には列車が全てN700系に統一されたことで、性能差や速度差がなくなりました。今後さらにダイヤを詰め込んで運行することが可能となっています。

 

 

 

過去に発表された乗車率まとめ

2023年の年末より「のぞみ」に自由席がなく、測定不可となりました。代わりに最も混雑する自由席を掲載します。

 

東京発の博多方面(下り)

東海道新幹線の過去の乗車率(下り)のぞみ1号
連休名 ピーク日 乗車率 備考
2015年 年末 12月30日 150%
2016年 GW 4月29日 150%
2016年 お盆 8月11日 180% 新たな祝日「山の日」8/11。混雑も山
2016年 年末 12月30日 150%~160% フジテレビ系は160%、TBSは150%と報道。29日も150%(JR東海)
2017年 GW 5月3日 140% のぞみ5号が最高160%記録(読売新聞)
2017年 お盆 8月11日 200% 昨年に続き「山の日」に集中、USJ効果
2017年 年末 12月30日 150% のぞみ150%(ANN)、産経新聞170%(正午発のぞみ25号)、新大阪からは190%
2018年 お盆 8月11日 200% 山の日と連休開始がかぶって混雑集中
2018年 年末 12月29日 180% 29日180%(朝日)、30日は150%(日テレ)
2019年 GW 5月3日 140% のぞみ5号が最高160%記録(読売新聞)
2019年 お盆 8月10日 150% 19年は比較的分散
2019年 年末 12月28日 180% JR発表。19年は28日が土曜で混みやすい日取り
2020年 GW 5月2日 6% 新型コロナウィルス影響で激減。過去にない閑散ぶり
2020年 お盆 8月8日 50% コロナ収束せず。GoToタイミング悪し
2020年 年末 12月29日 50% NNN報道(JR発表)
2021年 GW 4月29日 60% コロナ影響大きいが、大型連休ごとに徐々に増加
2021年 お盆 8月13日 40% コロナと大雨影響による移動控え
2021年 年末 12月29日 140% NNN報道(JR発表)
2022年 GW 4月29日 110% 18年の8割まで利用者復活
2022年 お盆 8月11日 110% コロナ第7派影響
2022年 年末 12月29日 120% コロナ後8割回復
2023年 GW 5月3日 140% コロナ前に復活
2023年 お盆 8月11日 200% 2018年コロナ前に復活
2023年 年末 12月29日 130% ひかり午前中11時

※本情報は報道各社が報道した乗車率を元に掲載しています。
※JR東海(あれば)の発表を最も優先し、未公表の場合には報道各社の発表を平均しています。

 

2017年のお盆は、休みを狙ったユニバーサルスタジオジャパンの人気によって過去最高の混雑集中となりました。

 

お盆は年末と違い、11日(山の日)の祝日によって多くの人の休み開始が被ります。山の日が制定された2016年からはお盆が年間で最も混雑するようになりました。

 

東海道新幹線で最も混雑するのは、のぞみ1号で名古屋からの下り列車です。混むときは200%を超えるため、在来線の通勤ラッシュと変わらない状況にもなります。

 

参考ですが、連休別の乗車率推移をのせておきます。

年末年始

年末の乗車率推移

 

お盆

お盆の乗車率推移

 

GW

GWの乗車率推移

 

 

上り列車のUターンラッシュ

上りは基準が各社バラバラなので各公表値を区間、時間帯頃にまとめています。

 

2016年ゴールデンウィーク

5/4(ピーク前日)…のぞみ自由席の最大110%
5/5(ピーク日)…新大阪→東京ののぞみ自由席最大120%(午後3時3分発ののぞみ30号)

 

2016年お盆

8/14…博多→東京方面午前中の最大120%、午後130%。

 

2017年年始

1/3…15:30名古屋発の東京ゆき「のぞみ28号」200%(JR東海)

 

2017年ゴールデンウィーク

5/6(ピーク前日)…のぞみ自由席の最大120%
5/7(ピーク日)…のぞみ自由席の最大140%

 

2017年お盆

8/15…新大阪→東京方面の午後130%(のぞみ32号)。

 

2018年年始

1/3…午後ののぞみでは最大で130%。(JR東海1/3 19:00発表)。
1/3…静岡発ひかり15時台に190%。(JR東海静岡支社)
1/3…午前6時8分博多発東京行きの「のぞみ2号」が乗車率110%

 

2018年お盆

8/15…新大阪(16:40発)→東京 140%(のぞみ36号)。
※2018年は15日~19日に多少分散。ピークは15日。

 

2019年年始

1/3…のぞみ32号(新大阪15:40発)160%(JR西日本発表)
1/4…新大阪(15:40発)→東京 160%(のぞみ32号)ABCテレビ
※ピークは1/3

 

2020年年始

1/4…のぞみ32号160%(JR西日本発表)
1/4…新大阪(15:40発)→東京 160%(のぞみ32号)ABCテレビ

 

2020年ゴールデンウィーク

5/6連休最終日でも最高で20%以下。(JR東海)
※新型コロナ影響でGW期間で10%超えたのは2回だけ。

 

2021年年始

14:09発のぞみで60%がピーク(JR東海)
※新型コロナの第2波で帰省控える動きが再燃。

 

2021年ゴールデンウィーク

5/6連休最終日で60%程度(注)
(注)報道各社の乗車率がバラバラすぎて間とりました。最大で日テレビ系で90%という報道。

 

2022年ゴールデンウィーク

5/5で100%
(注)新大阪、午後2時9分発の「のぞみ」(JR東海、毎日放送)

 

2022年お盆

8/11午後に最大90%。分散傾向
(注)JR東海、毎日新聞

 

2023年年始

1/3午後に最大150%。年始の上りは集中。
(注)朝日

 

2023年ゴールデンウィーク

5/7連休最終日がピークで110%(JR東海)

 

 

まとめ

新幹線は年々運行本数は増えていますが、それ程自由席の座席数は増えていません。
運行本数も限界に近いようで、年間で数本増やして時間も数分短縮するというペースです。

 

最近では、ネット予約で指定席に座る人が増えているので総じて自由席を利用する人も減っています。

 

 

報道される乗車率は、感覚的なもので事前に予想が数値で発表されることはありません。
「結果を知ってもねぇ」という感じですが、毎年同じような混雑ぶりなので予定をたてるための目安にはなります。

 

指定席の状況がわかれば、比例して自由席も混雑するので指定席の予約状況を参考にできます。

 

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